沖縄生活者

感想を書きます。

『急に具合が悪くなる』(監督:浜口竜介、2026年)

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パリ郊外の介護施設「⾃由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは⼊居者を⼈間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の真理が演出するのは、自閉スペクトラム症の孫・智樹と行動を共にする俳優・清宮吾朗の一人芝居。真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、二人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、二人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる……。

映像も物語もすばらしかった。会話劇なのに3時間という長尺に飽きない。これは今を生きるひとが見るべき映画のひとつだと感じた。

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8月の備忘録/ブログの名前を変えました。

今日は沖縄では旧盆のウークイ(送り日)。いつもは帰省しているが、今年は仕事の都合で帰省ができず、島のほうに向かって手を合わせる。
八月も終わり。いろいろなコンテンツに触れたけれど、腰が痛いから感想が書けない。でも書かないと忘れそうだから備忘録として。下書きがたまる一方だ。

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敗戦から81年

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日本の敗戦から81年が経ちました。高市首相の式辞は、いわゆる「未来志向」というか、「輝かしい未来」ばかりという感じだった。

 思えば、沖縄戦に参加するまでのわたしの人生は、すべてこれ国家意思にもとづく戦争体制の一部となるためのものであった。しかし、敵味方が入り乱れて殺戮のかぎりをつくす戦場にあっては、こうした「生き方」そのものが疑問視されざるをえなくなるものだ。
 戦争がすみ、沖縄中部の屋嘉捕虜収容所にいれられていたとき、わたしは、竹切れの先をくだいて筆をつくり、食事時に支給されるコーヒーを墨汁代りにして、紙片や罐詰のふたなどに「新生」とか「再生」といった文字を倦むことなく書きつづけた。「国家意思」とか「国益」といった空語に、自己の全存在をゆだねることなく、こんどこそ、みずからの人間的願望にもとづく主体的な生き方を求めて生まれ代わりたいと切実に願ったものである。
 だが、戦後二十数年におよぶ道程をかえりみて、それが「新生」の名にふさわしい実質をもちえたとは、おもえない。戦争体験をとおして学びとったはずの「人間的生き方」にたいする執着も、人間的価値の追求も、深化蓄積されたというより、むしろ国家施策に押しながされ、あげくは「いつかきた道」を、ふたたびたどらされつつある感さえいなめない。(大田昌秀『沖縄のこころ』「はじめに――戦争を否定する沖縄のこころ」岩波新書、1972年、2頁)

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『気狂いピエロ』(監督:ジャン=リュック・ゴダール、1965年、2015年2Kレストア版)

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フェルディナンは、金持ちの妻との生活に退屈し、逃げ出したい衝動に駆られていた。ある夜、夫婦がパーティに出かけるため、幼い娘のベビーシッターがやって来る。彼女はなんと、かつての恋人マリアンヌだった。パーティを抜け出し、1人で帰宅したフェルディナンは、彼女を車で送り、そのまま一夜を共にする。翌朝目覚めると、彼女の部屋に、首に鋏を突き立てられた男の死体が。驚く彼とは裏腹に、平然と朝食を作り歌うマリアンヌ。フェルディナンは、訳は後で話すという彼女と一緒に、着の身着のままでパリを後にし、マリアンヌの兄がいる南仏へ向かうが…。

言わずと知れた名作だけど、初鑑賞。

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『GOOD BOY/グッド・ボーイ』(監督:ベン・レオンバーグ、2026年)

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「何かがおかしい・・・」異変に気付いたのは、人間ではなく飼い犬のインディだった。誰もない部屋の隅をじっと見つめる。何かに反応して吠える、そんな誰もが共感する飼い犬の不思議な行動の先にある恐怖を、本作で長編デビューのベン・レオンバーグ監督が3年に及ぶ制作期間を経て描く。2025年のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト映画祭)でプレミア上映され、最優秀犬演技賞を受賞。犬の視点から描かれた斬新なホラー作品として注目が集まり、予告が公開されるや否やSNSで話題沸騰。当初限定公開のはずが急遽1650スクリーンに拡大公開され、Rotten Tomatoesでは90%の評価を獲得。「2025年最も心を打つホラー映画の一つ」と称され、全米2週連続トップ10入りを果たした。2026年のアストラ映画賞「ホラーまたはスリラー作品部門」で『28年後…』のアルフィー・ウィリアムズ、『ブラックフォン2』のイーサン・ホーク、『トゥギャザー』のアリソン・ブリーといった錚々たる面々らを退け、本作主演のインディ(犬)が動物俳優として最優秀演技賞を受賞する歴史的快挙を達成した。

いわゆるジャンプスケアはあるし多少血が出たりはするが、映像としてとても怖いわけではないので、ホラーが多少苦手でも見られそうだった。以下ネタバレあり。なお、犬は死なない。

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二葉亭四迷「浮雲」第二編・第三編

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面白かった。作品自体は青空文庫でも読めるが、注がないとわからない部分も多いため、文庫本を買って正解だった。岩波文庫で読んだが、第一編だけで300超の注がある。ちゃん途中に目を通したのは半分もないけれど……。

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二葉亭四迷『浮雲』第一編

夏休みの特別講座として文学史を教えてほしい、とのリクエストがあったので、国語便覧を使いながら文学史を教えていると、「国語教師」を名乗っておきながら文芸作品をあまり読んでいないことに改めて気付かされ、読むことにした。もちろん乱読するのが一番良いのだろうけれど、怠け者だからなにか手引きはないか……と探してみると、東京大学国文学研究室が、学部生に読んでほしい本をリストアップしていた。一応日本文学で文学修士号まで持っていますが、恥ずかしながらここにリストアップされている本のうち、半分以上は読んでいない。特に近現代文学は全然読めていないので、手始めに森鴎外「雁」と樋口一葉「にごりえ」を読んでみると、これが思いのほか面白かったので、そこからすすんで二葉亭四迷『浮雲』へ。今第一編を読み終わったところだけど、ところどころでクスッとさせられる小説で、深刻なつまらない小説だと思っていたのは間違えだったと気付かされました。以下、感想の中の引用文は青空文庫から。

www.aozora.gr.jp

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